それは「保護ネコ」です。
世の中には、
身勝手な人間の行動により
捨て猫や、殺処分となるかわいそうなペットがたくさんいます。
野良猫となって、事故や病気でなくなったり
その野良から生まれた、かわいそうな子猫もいます。
わが家の猫の「メイ」はそんな保護ネコです。
近所の公園で、野良から生まれた子猫で
死にかけていたのを家族が拾ってきたのです。
5月に拾ったので、「メイ」と名付けました。
すぐに獣医に見てもらい、
全身を消毒して栄養を与えて
粉ミルクの飲ませ方を教わりました。
少しずつミルクを飲むようになって
栄養失調から回復し
一命をとりとめることができました。
親の愛情を得られなかったからでしょう、
最初は、性格がきつく、爪でひっかく、
かまれることがたびたびでした。
でも、一緒に生活をするうちに、
少しずつ慣れて、なついてきました。
なぜか、私に、一番なついてきたのです。
仕事から帰ると、
玄関に飛んできてお迎えをしてくれます。
夜は必ず一緒に寝ます。
冬は、私の布団に入ってきます。
私がトイレに入るときには、
ドアをあけた瞬間にトイレに飛び込んできます。
私が風呂に入っている間は、
バスルームの前で待っていてくれます。
こんなにけなげで、
いつまでも私のことを愛してくれる存在は
他にありません。
そんな「メイ」も今年で12歳になりました。
もう、人間でいえば70歳代とのことです。
動きは、ずいぶんおそくなりました。
年齢を感じさせるようになりました。
それでも、今も、夜は必ず私のベッドにやってきます。
私の人生は、決して自慢できるようなものではありません。
ごく普通の、庶民の人生といえます。
でも、一匹の猫から愛され続けた記憶だけは
私にとっての、誰にも負けないひそかな誇りです。
心から感謝しています。