メッセージ

ガンで死ぬのが一番だ

私の父のことばです。

私の父は、
現在95歳で元気ですが
「ガンで死ぬのが一番だ」
といいます。

妻(私にとっては母)を
すい臓がんで失いました。
その経験をふまえての
ことばです。

ガンは、
末期となってからでも
数か月は生きられます。

数か月あれば
自分の死と向き合って
死を受け入れるには
十分な時間がある
といえるでしょう。

自分の身の回りの
整理もできますし
伝えたいことや
残したいものを、
意識が確かなうちに
キチンとやりとげるだけの
時間があります。

家族にとっても
数か月の時間があれば
死を受け入れる
準備ができます。

また、最後には
病院に入院して
緩和ケアで
痛みをやわらげて
もらうことも可能です。

よく
「ピンピン・コロリ」
という死にかたが
理想だといわれますが、
事故死や
突然の病死となると
身の回りの整理もできません。
死ぬ前に伝えたかった
メッセージを
伝えることもできません。

家族にとっても
気持ちの整理を
する時間もありませんし、
病院での死でないと
検視をされたり
余計な手間や迷惑がかかります。

そう考えると
若い時は別ですが、
ガンというのは
適度な時間の余裕があって
良い死に方なのかもしれません。

年老いると
ガンの進行もゆっくりです。
その分時間がもらえます。
あわてる必要はありません。

「自分の運命を知って
残りの人生を有意義に使うための
貴重な時間をいただくことができた。」
と考えれば
前向きに受け止めることが
できるのではないでしょうか。