私の経歴

私の経歴(その2)

人材育成部門

<人生の目的を悟る>

次に移った部門は人材育成部門でした。
この部門のミッションは、
学生の採用活動と従業員の研修です。

ここで私はある種の悟りのような経験をしました。
従業員の研修は、
全国の従業員と知り合う良い機会となりました。

私の役目は、
社外講師の紹介と研修のオリエンテーションですが、
オリエンテーションが終わって研修が始まると
あとはヒマになります。
講師の説明を聞きながら同席しているだけで
給料がもらえるのです。
こんなありがたい仕事はありません。

しかも、「門前の小僧習わぬ経を読み」
ということわざがありますが、
研修に同席して
何度も講師の良い話を聞いているうちに、
自分の思考もプラス思考になってゆきます。

特に、新入社員研修や管理者研修の
やる気が出てくるような講義を
何度も聞いていますと、
悟りに近いような思いに到達してきたのです。

それまでは、人生の目的が見えずに
自分がどこに向かっているのかわからず、
自信もなく、もやもやしたものを抱えていました。

しかしあるとき、講師の話の中で、
「すべての動物の中で、
成熟するのに最も時間のかかる動物が人間である。
成長が最も遅いがゆえに、
人間だけが最も高いレベルまで
成長を遂げることができるのです。」

それを聞いたとき、私は震えを感じました。
自分はだれよりも成長が遅く未熟だという
コンプレックスが吹き飛んだのです。

そうか、成長が遅い私だから、
もしかしたら誰よりも成長をすることが
できるのかもしれない。
と思えたのです。

そしてひらめいたのです。
「人生の目的は成長することだ」という考えが。

その時には鳥肌が立ちました。
そして、今まで何で悩んでばかりいたのだろう。
そんな簡単なことが人生の意味だったのか。
とある意味悟りの境地を体験しました。

<会社説明会はプレゼン道場>

また、会社説明会は、
自分にとって、
プレゼン練習の素晴らしい機会となりました。
どのように説明すれば
学生の就職意欲がわいてくるのでしょうか?

いろいろな説明の仕方を試してみました。
説明に失敗すれば、
学生は二度とこの会社に来ないでしょうから、
恥ずかしいことはありません。

どのような内容をどんな順番で話せば心に響くのか?
学生の人生観を、
私の話で変えてしまいたい。
そんな思いでプレゼンの練習に
取り組んでいたことを思い出します。

おかげさまで、
人前で話をすることが苦にならなくなりました。
10代のころの自分は、
あがり症で赤面対人恐怖症でした。
それから比べると雲泥の違いです。
人は成長するものだということを
ここでも強く感じました。